Shinya talk

     

 

2019/09/13(Fri)

テレビ情報の陰に隠れた東電問題(CATWALKより転載)

今日は所用があり、一昨日の房総現場の情報を得て、昨日スタッフが物資を買い込み、今日の朝、車で現地に赴いた。

今回の房総半島を中心とするインフラ崩壊は徐々にボディブローのように効いており、こう行った時期に組閣ではしゃいでいる場合ではない。



内閣組閣直後、環境大臣になった小泉進次郎は喜び勇んで凱旋訪問のように福島に行ったが、今は福島に行っている場合ではなく、房総だろう。

彼が福島に入れ込んでいるということはわかるが若いにしては即応性、柔軟性に欠ける。











また今回も311時と同じ東電の事故だが、311時において嘘をつきまくった東電はこの房総でも嘘をついており、その嘘に誰も気づいていない。



つまり電力の復旧が遅れているのは倒木によって道路などが遮断されており作業に支障をきたしているというアレである。



現場を見たところ倒木はあるにはあるがそれはもともと体力の衰えた老木であり、山間部であっても道路を遮断するほどの巨木がいたるところに倒れているかのような東電のコメントには無理があり、映像にもそのようなものは出ていない。



というより現場で道路を遮断している本当の障害物は東電の建てた電信柱なのである。

電信柱なら至るところに倒れており、こう行ったインフラは道路ぎわにあるから倒れると完全に道路をふさぐ。

通りによってはまるで将棋倒しのように倒れており、一つを処分してもさらにその先にあるという状況だ。



船長も房総に住み、倒木で道路をふさがれたことがあるが、仮に長さ10メートルでひと抱えくらいの倒木であってもプロが使う50cc以上のチエンソーがあれば人が抱えることのできる50センチ幅で切り刻み、ものの15分で処理できるし自分でもやったことがある。



つまり倒木によって作業が遅れているのではなく、おそらくいたるところで倒壊した電柱によって作業が遅れているということではないか。



この電柱処理は倒木の100倍も厄介だ。

中に数十本もの鉄筋が入っており、切断が容易ではない。

切断ができない以上、クレーン車で移動させるしかないのだが、場所によってはその作業もできない。



日本は電線が埋設されていない唯一の先進国であり、この電柱の倒壊が復興の妨げになっているということは311時のみならずこれまであらゆる災害現場で経験しているわけだが、今回もまた同じことが起きており、それを東電は倒木のせいにしているわけである。



特に東電では都会部や町では電柱は広告塔の役割を担わせており、その別会社を建てるほど広告収入は莫大なものであり、この厄介な障害物で東電は儲けている。

電柱の倒壊によって電力の復旧作業が遅れているとは口が裂けても言えないわけだ。



こう行った災害時には時に別の視点で物事を観測するなら思わぬことが浮かび上がってくるものだ。

テレビだけの情報を鵜呑みにしてはいけない。